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2005年01月10日
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元祖・純愛:
「愛と死をみつめて」復刊、DVDも発売

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映画「愛と死をみつめて」のワンシーン=日活提供

 マコ、あまえてばかりでごめんね……、昭和30年代に空前のベストセラーとなり、映画や歌も大ヒットした愛の往復書簡「愛と死をみつめて」(大和書房)が復刊され、近く映画のDVDも発売される。「冬ソナ」「セカチュー」ブームが続くなか、元祖・純愛物語は読者の心に灯をともすか。【鈴木琢磨】

●140万部

 「ある純愛の記録」と銘打たれた「愛と死をみつめて」が刊行されたのは東京五輪を翌年に控えた1963年暮れ。ちまたには舟木一夫さんの「高校三年生」が流れていた。大阪の病院で軟骨肉腫と闘う大島みち子さん(ミコ)が、東京にいる恋人の大学生、河野実(まこと)さん(マコ)と交わした200通もの手紙で構成されている。

 <マコ、貴方は私の何なのでしょう。将来一緒に暮らせる望みなどこれっぽっちもないのに、世間の恋人のように一度だって腕を組んで歩くこともないのに……>。病床にありながら懸命に愛を貫き、21歳で息を引き取るミコに日本中が涙した。本は140万部のミリオンセラーとなり、翌年にテレビドラマ化、映画化もされ、青山和子さん歌う同名の歌は日本レコード大賞を受賞した。

●マコは63歳

 あれから40年、新たな純愛の時代に懐かしい名作の復刊となった。大和書房の矢島祥子編集部長(57)は言う。「われわれ団塊の世代にとって純愛の原点はマコとミコでした。20代の編集者と社内に『愛と死』プロジェクトを立ち上げ、準備を進めました。もどかしい愛、でも、手紙の力はすごい。携帯世代に読んでほしい。総計で200万部といきたいですね」

 その主人公のマコ、河野さんは63歳になっていた。「でも、ミコさんはずっと21歳のままなんです」。ビジネスコンサルタント、ジャーナリストとして世界を駆けながら、週末は野菜づくりに汗を流す日々。「冬ソナなんかと違って、僕らの純愛はノンフィクションでした。すさまじい死と生身で闘いつづけてね。いまの読者はどんなふうに読んでくれるかなあ」

●昭和30年代の空気

 この「愛と死」復刊に合わせるように1月21日には日活から吉永小百合さん、浜田光夫さん主演の同名の映画がDVDで発売される。歴代日活作品中、興行成績ナンバーワンを記録した感動作。昭和30年代の空気をたっぷり体感できるだけに、こちらも大きな話題となるに違いない。

 さて、40年の時を経ての「愛と死」。「純愛の精神誌」の著者、藤井淑禎(ひでただ)・立教大教授(大衆文化論)はこう語る。「ブームに乗った表層的な読み方ではなく、きちんと向き合えば、いまの空虚が照らし出され、自分を再考するきっかけになるはずです。何でもありの時代、若い読者は、枷(かせ)と闘うことで鍛えられる愛やけじめが健在であったあのころを新鮮に思うのではないでしょうか」

毎日新聞 2005年1月7日 14時56分

毎日新聞速報から

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