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マガジン X 2002・6月号掲載    
 






インタビュアー
ジャーナリスト
河野 實
 








略歴
たなか
やすお
  私の意見は、六県知事たちの対極にある

―― 教育県として長野県は名を成していた時期があったのですが、現状は地に堕ちています。教育再生についてのお考えは?

田中 教育県長野は、もう過去の遺物でしょう。長野県人は教育関係者を除き、既に誰も教育県などと思っていません。長野県には信濃教育委員会、各学校校長会、県教組、県教委の四つの団体や機関があります。しかし、これらは顧客である児童や生徒や、株主である保護者(父兄)の目線とズレています。このまま何もしないのであれば、知事直属機関で改革せざるを得ないと、最後通牒してあります。

―― 誇り高き長野県人を育ててもらいたいですね。ところで、三重など改革派と言われる六県知事たちが「高速道路を考える地方委員会」を結成して、未整備の高速道路建設促進を国に求めていることを、どう思われますか。

田中 私の意見は、六県知事たちの対極にあると断言できます。いわゆる直轄事業には自治体に負担のあるものと、ないものがあります。彼らは自分たちの県に負担のない高速道路を、「計画通りやり遂げよ」と声高に主張しています。現在民営化推進委員会が検討している最中にですよ。これでは道路族、守旧派と同じではありませんか。これは国民レベルの話であって、六県知事などの話ではありませんよ。何が改革派ですか。こんな自己撞着がありますか。

―― 関連の質問ですが、その道路関係四公団の民営化推進委員会が八月末に出した「中間整備(答申)」に対して、田中知事の評価はどのようなものですか。

田中 猪瀬直樹氏の高速道路改革は、日本人を振り回した挙句、路頭に迷わせるものです。マスコミの一部は、六首長に対しては守旧派と言い出しましたが、猪瀬氏に対しては、改革派の旗手だと煽っている。

―― 猪瀬氏はどこで変節したのでしょうか。

田中 上下分離(上は道路の運営管理、下は資産としての道路を所有する)を認めた時点からでしょう。上下分離などという誤魔化しは、古くはイギリスのブリティッシュ・レイルウェイで実証済みです。国鉄民営化の時にも上下分離案が浮上しましたが、この先例があったからこそ上下一体でJR各社ができて成功しているんです。これによって年間一兆円弱の税金の投入がなくなったのですよ。

―― 猪瀬氏は、これまで多くの特殊法人の解体民営化の論陣を張ってきましたが、言論と実行(委員会の主導)とは別人ですね。

田中 猪瀬氏の一種の権威主義を見てきておれば、官僚側からすれば、最も使いやすい人間だからこそ、委員にいれたんです。にも拘らず、マスコミはそれを認識していない。私の身に起きた一連のことに関しても、地元紙を含めてマスメディアの意識の遅れが、長野県政を歪めてきたのです。日本全体も同じです。

―― ご多忙の中、インタビューに応じていただき、有難うございました。
   
 
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